日々進化していく家庭教師

FC方式による経営は加盟店主の生活がかかっている。 S本部が経営指導という重責を負うのは当然なのである。
1店でも不振店を出してはいけないS本部は、各店舗に対する経営指導に並々ならぬ力を注いでいる。 その重要な役割を担うのが本部社員のOFC(オペレーション・フィールド・カウンセラー)と呼ぶ店舗経営相談員たちだ。
OFCは1人あたり7、8店の経営指導にあたる。 受け持ちの加盟店に頻繁に顔を出し販売実績などのデータを参考に、品ぞろえ、アルバイト管理、パソコンなどの情報機器の使用方法やデータの分析の仕方などをきめ細かく説明する。
OFCはS本部の営業面での基本方針を加盟店主にわかりやすく伝え、納得してもらい経営に生かす手腕が求められる。 OFCは経営コンサルタント的な存在であり、S本部と加盟店主を結ぶ極めて重要な役割と位置づけられている。

中小小売店出身でSに加盟した店主の一部は過去に自分が手がけていた商売の仕方を「S」でも踏襲しようとする傾向にあるが、OFCはこのやり方を止めてもらうよう懇切丁寧に説得することもあるという。 SがOFCの育成に並々ならぬ力を入れているのは、次のような実験結果があるからである。
同じような立地に同じ品ぞろえの店舗を2つ用意して、販売動向に差が出るかどうかを実験した。 すると2店舗には大きな売り上げの違いが出てきた。
同じ立地に見えても、消費者が買い求める商品は微妙に異なることが確認されたからだ。 OFCが緻密な経営指導を心がけないと担当店舗はたちまち不振店に転落してしまう恐れがある。
原則OFCは最低でも週に2度受け持ちの店舗に出向き、一回2時間以上コンサルタント業務をすることになっている。 店舗間の距離が短いドミナント戦略によって、OFCのメリットも大きい。
移動時間が少なくなり、その分、加盟店での経営指導に多くの時間を割くことができる。 OFCは加盟店主などと直接打ち合わせすることが義務づけられている。
目まぐるしく変化する消費者行動についてのS本部の方針を、時差なく正確に伝えるためだ。 24時間営業のため、時には深夜に店を視察し店舗の状況を把握することもある。
加盟店が発注した商品が狙い通りにちゃんと売れたのかどうか。 もし、売れなかったらどこに間違いがあったのか。
売り上げは伸びているのに、利益を予想通り稼いでいないのはなぜなのか。 アルバイトやパート社員のシフトが店の繁閑にうまく合うように組まれているのかなど、OFCは幅広い視点から経営指導をする技量が求められる。
OFCは親身になって加盟店主と話し合い、説得するのが仕事であるが、特定の加盟店主に深入りすることは禁じられている。

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